生命地域学 総合的な探究の時間 中山間地域体験学習(1年生)
2025年09月19日
9月10日・11日に、1年生が以下の3つの目的のもと、中山間地域体験学習を行いました。
- 様々な体験活動を通して、中山間地域の自然や文化、暮らし等について関心を持ち、地域の魅力や課題について考える。
- 友人や地域の人と協力して、積極的に学習に取り組む。
- 学んだことについて、資料を適切に作成し、発表する。
▶事前学習(8月20日)
中山間地域研究センターより東さんをお迎えし、「中山間地域とは」と題した講義を受けました。
人口減少によって地域社会がどのように変化したかを詳しく伺い、地域ごとに異なる課題に対して、アイデアを出し合いながら考えていくことの重要性を学びました。
▶1日目(9月10日)
はじめに「中山間地域研究センターの概要説明」や「中山間地域における林業」についての講義を受けた後、2つの体験実習を行いました。
本来は晴天時に全員が森林セラピーを体験し、森林の癒しや治癒効果を体験する予定でしたが、雨天のため、以下の6つの体験の中から1人2つを選んで体験しました。
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▶2日目(9月11日)
前半は「飯南町の医療と福祉と私たち」というテーマで、社会福祉協議会の田中さん・大坂さんからお話を伺いました。
社会福祉協議会の役割や地域包括ケア、飯南町の地域資源について詳しく説明いただきました。グループワークでは、「誰もが住みやすく、幸せな環境で育っているか」をテーマに考察しました。困ったときに様々な支援者が地域にいること、地域とのつながることで支援の幅を広げ、新たな可能性を生むことを学びました。
後半は、10日に体験した内容をスライドにまとめ、各班で発表を行いました。体験内容だけでなく、疑問に感じたことやその答えも盛り込まれており、発表後には活発な質疑応答が行われました。聞き手は、自分が体験していない活動についても理解を深め、視点を広げることができました。
中山間地域研究センターは、全国で唯一、中山間地域を総合的・専門的に研究する施設です。飯南高校の近くにあるからこそ実現できているこの活動に、たくさんの方々が協力してくださり、生徒たちは多くのことを感じ、学ぶことができました。ありがとうございました。
【生徒の感想】
ー講義からー
- 飯南町をより良くするために働いている方々の話を聞いて、町外から飯南に来た僕にとって、あまり“飯南町のために”とかは興味がなかったけど、3つの講義を聞いて飯南町をより良くしたいと思いました。そのためには人手が必要だから、僕もなにかできることをしたいと思いました。
- 飯南町では、暮らしやすい町を作るために、とても工夫をされていることが分かりました。飯南町は、少子高齢化が進んでいる、遊ぶところが少ないなど様々な課題を掲げています。私も飯南町の一員として、試行錯誤して良いアイディアを生み出していきます。
- 中山間地域の現状や課題をただ知識として学ぶだけでなく、自分の生活や将来の関わり方について考えるきっかけになったと思います。特に「地域の人々の努力や工夫」に触れることで、持続可能な地域づくりに興味を持つようになりました。
- 飯南町民だけれど、知らなかったことが多くありとても良い学びになりました。 これまでは山がたくさんあって田舎だなーとしか思っていなかったけれど、山がたくさんあるという点をマイナス面で見るのではなく、プラスにして様々なところで私たちの生活を支えてくれていることがわかって嬉しかったです。今回の講義を通して自分が思っていたよりもたくさんの人との関わりがあり、支えてもらっていたことに気付かされ、これまで当たり前だと思っていた生活に感謝しようと思いました。
- 飯南町では高齢化率が高いと知ったからこそ助け合いが大事だなと思ったし、いつも地域の方に見守り育てて頂いてるからこそ、私も高齢者の方たちへの支援をしていきたいと思いました。
ー体験からー
- 建設業クイズや、ドローン・バックホウ・除雪車の操縦をする中で、建設業のありがたみを感じ、自分もこのような仕事をしてみたいと思えました。今後もっと建設業の魅力が広まればいいなと思いました。
- 班のみんなで協力して箱ワナを作り、実際にワナに入る体験をしました。イノシシなどの野生動物が農作物に与える被害の深刻さを肌で感じることが出来ました。地域の方々が協力して対策に取り組む姿に感動しました。自然と共生する難しさと重要性を学ぶ貴重な経験でした。
- 私は飯南町出身で、小さい頃からしめ縄について良く知っていたし、何回もしめ縄づくりの体験をしたことがありました。しかし、町外や県外出身の生徒がしめ縄作りを初めて体験して楽しそうに作っていて、しめ縄の魅力を再確認することができました。しめ縄体験を通して、しめ縄は自分の住んでいる飯南町の誇りだなと感じました。
- 飯南町などの標高が高い場所にクロモジができているのを知ることができました。クロモジから、枝茶・葉茶・花茶の三種類のお茶になることもわかりました。クロモジという植物を知らなかったので、勉強になりました。他にもクロモジが薬用養命酒や、和菓子についている高級爪楊枝など、様々な商品に使われていることがわかりました。
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伐倒を体験してみて、木を一本倒すだけでも多くの準備や安全確認が必要であることに驚きました。木を切るということは危険だし大変だと感じ、自然と向き合う作業の奥深さを実感し、森林を守る仕事の大変さや大切さを改めて考えるきっかけになりました。