令和6年度 入学式
2024年04月09日
4月9日に、令和6年度入学式を挙行し、47名の生徒が入学を許可されました。
【校長式辞】
季節はゆっくりとページをめくりました。ここ飯南の里にも、桜が咲き誇るおだやかな春がやってきました。
この佳き日に、飯南町長 塚原隆昭様、PTA会長 迫田周三様をはじめ、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、そしてまた、たくさんの保護者の皆様にお越しいただき、ここに令和6年度、島根県立飯南高等学校入学式を挙行できますことは、まことに喜びにたえません。高段からではございますが厚く御礼申し上げます。
保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。お子様の制服姿をご覧になり、お喜びもひとしおのことと拝察いたします。これまでのご労苦に敬意を表すとともに、今後は本校の教育にご理解とご支援を賜りますようお願いいたします。
ただいま入学を許可した47名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員、在校生一同、皆さんをこころより歓迎いたします。
飯南高校は75年の歴史を持ち、現在は小規模校のメリットを活かし、教育の魅力化、地域と一体となったキャリア教育などに取り組んでいます。小規模校ながら、進路実績や活発な部活動などにキラリとした輝きを放つ、中山間地域を代表する学校として知られています。
さて、ITの世界には「冗長性」という概念があるそうです。「冗談」の「冗」に「長」い、そして性質の「性」で「冗長性」です。「いつ起きるかわからないアクシデントに対して、信頼性や安全性を担保するために、予備のシステムをスタンバイしておくこと」という意味です。ちょっと難しいですが、コンピュータのサーバーや病院の非常用電源などをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
世の中はコスパ・タイパ・選択と集中など、効率重視の観点からとにかく無駄を削っていこうとする方向に動いています。しかし、その一方でこの「冗長性」という考え方があることはとても重要な意味を持つと思います。
教育の世界に「冗長性」をあてはめるのは少し強引ですが、いざという時のためにきちんとバックアップ体制を組んでおく、という考え方はとても参考になります。高等学校は義務教育ではありません。確かに、すぐには役立ちそうに思えないことが高校生活の中には沢山あります。とりわけ、自分の苦手な科目については「なぜこんなに難しいことをやらなくてはならないのだろう?」といったことを思いがちです。
しかし、それを無駄だ、意味がないと判断しているのは、あくまでもその時の自分の「感覚」にすぎないのではないでしょうか。これから皆さんの前に展開していく予測不能な長い人生の中で何が必要で何がいらないか、などといったことは軽々しく判断できることではありません。目先の感覚で「合わない」「つまらない」「無理」といって、世界をどんどん絞っていくのはあまりにもったいないことではないでしょうか。
「学ぶこととは、受け入れること」です。飯南高校は小規模校ではありますが、自分の世界を広げるのに十分な環境があります。まずは、守備範囲を広げること。様々なことを受け入れてみてください。
最後になりましたが、保護者の皆様、私ども教職員一同は、生徒の成長に立ち会えることをやりがいとし、生徒一人ひとりが入学して良かったと思える学校を目指しています。保護者の皆様にも、入学させて良かった、たくましくしてもらった、と言っていただけるよう、全力で正面から向き合う所存でございます。
保護者の皆様には、学校との連絡を密にしていただき、ご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。
新入生の皆さんのこれからの3年間が一生の宝物となることを祈念して式辞といたします。
令和6年 4月9日 島根県立飯南高等学校長 岡 秀樹
ご臨席いただいた飯南町長 塚原様から、祝辞をいただきました。町内生はもちろんのこと、近隣や県外からの入学生の入学を心から歓迎してくださり、第二のふるさととして大いに楽しんでほしいと仰っていました。
その後、新入生代表として明見菜々子さんが、「地域と共に発展する飯南高等学校の一員として、自律・友愛・進取・創造のもと、何事にも積極的に取り組み、心豊かで自立した人間となることができるよう努力します」と宣誓してくれました。
その他、入学式挙行にあたり、たくさんの祝詞・祝電をいただきました。式場にて披露させていただきました。ありがとうございました。
ホームルームでは、美術クラブの生徒が前日までに黒板アートを描いて、新入生を迎える準備をしてくれました。
明日からは、飯南高校での生活にスムーズに慣れるための、新入生オリエンテーションや学習ガイダンスが行われます。新たな環境の中で、新入生が一日でも早く高校生活に慣れ、自分らしさを発揮していけるよう、教職員一同努めてまいります。
47名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます!