5月15日に、県総体壮行式を行いました。総体に参加する部活動は、剣道部、スキー部(陸上競技)、テニス部、バレーボール部、卓球部、ハンドボール部です。昨年度はリモートで行いましたが、今年度は体育館に全校生徒が揃って行うことができました。

岡校長からは、

「飯南高校には、総体に関してどこにも負けない自慢できることが二つあります。

 一つ目は、素晴らしい応援の文化があることです。各クラスや教職員が応援メッセージを模造紙に寄せ書きするというのは、今まで勤務した学校で見たことがありません。また、出場する各部活動にはお守りが渡されます。手作りの一点もののお守りです。これは毎年、図書館司書の河野さん、業務アシスタントの藤原さん、広報担当の岡田さんが作成してくださっています。

 もう一つは、スキー部の活躍です。学校対抗では1月に実施された高校総体スキー競技の得点も入ります。男子は優勝、女子は準優勝という好成績を残してくれました。皆さんは、大きな追い風の中でバトンを受け取って学校対抗戦に挑んでいくことになります。

 勝負事に「絶対」はありません。勝機はどこかにあるはずです。学校全体をあげての応援、そしてスキー部の皆さんの思いをエネルギーに換えて、1秒でも長く、試合の舞台に立ってください。」

と激励の言葉が伝えられました。

島根県総体壮行式

生徒代表として、生徒会副会長の中條屋さんからは、「これまでの計り知れない努力の成果を存分に発揮してきてください。自分を信じて、仲間を信じて、完全燃焼で戦ってきてほしいと思います。」という言葉と共に、今年度のお守りが各部の部長に贈られました。

島根県総体壮行式島根県総体壮行式

その後は、応援委員のメンバーを中心に、選手にエールを送りました。

島根県総体壮行式島根県総体壮行式

総体に出場する各部の部長からは、「コロナの制限がなくなり、今大会から、声援を送ってもらえるようになりました。声援を送ってもらえる大会は高校に入学してから最初で最後。感謝の気持ちを忘れず、元気と勢いのあるプレーで、3年間の集大成を見せられるようにしたいです。」「練習や練習試合ができること、壮行式を開いてもらうことなど、当たり前ではないので、感謝をし、結果で恩返しできるように頑張ります。」など、大会に向けた抱負と共に、今まで支えてくださった方への感謝の気持ちがたくさん聞かれました。

島根県総体壮行式

今日から総体激励週間。部活動に集中して取り組めるよう、この期間は6限授業となっています。

また、各クラスや教職員からの応援メッセージがコモンスペースに貼り出されます。昼休みにキャプテンインタビューを行ったり、掃除の時間に校歌を流したりもします。

前期総体は5月26~28日、後期総体は6月1~3日に開催予定です。

県総体に向けて、学校全体で盛り上げていきたいと思います!

 


壮行式で伝えきれなかったこととして、岡校長から続きのメッセージをもらったので、選手の皆さん、全校の皆さんも読んでみてください。


 応援メッセージの模造紙に「勝たむと打つべからず。負けじと打つべきなり。いづれの手か疾く負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目なりとも遅く負くべき手につくべし」という『徒然草』の一節を記しました。

 この部分の解釈については「守勢に徹して相手のあせりを誘うほうが得策だ(角川ビギナーズ・クラシックス)」「負けない戦いを続けて、辛抱強くチャンスを待たなくてはならない(齋藤孝)」などがありますが、私自身は「案ず」という単語に着目しました。これは、「あれこれ考える」「工夫する」という意味です。

 皆さんは、試合会場でどんな過ごし方をしていますか? 試合前はアップがあるでしょう。試合が終わったら身体の休息や、チームメイトの応援などがあるでしょう。でも、おそらくそれ以外の時間があるのではありませんか?

 この時間を「案ず」のために使ってみてはどうでしょうか。特に、1・2年生は、今、目の前で競技をしている選手がいずれ対戦相手となる可能性があります。また、さっき自分が負けてしまった相手を、その後の試合で打ち負かす選手が出てくるはずです。その選手はどんな戦い方をして勝ったのか、見届けることで次に自分が対戦するヒントを与えてくれるはずです。

 じっくり見てメモを取るなど、チームで手分けをして観察を繰り返せば、有効なデータベースになるはずですし、戦況を判断する眼力も鍛えられると思います。

 また、大会では強いチームの練習風景を見ることもできます。その練習方法を取り入れることができないか、など学ぶべきことは沢山あります。

 プロスポーツでは、こうした分析を専門に行う「アナリスト」がいます。職業としてやっていくには高度なデータ分析技術が必要といわれています。高校の部活動ではまだ限定的ですが、取り入れる動きも出てきているようです。

 「分析」はハードルが高いので、まずは「観察」から始めてはどうでしょうか? じっくり見ていけば、相手の意外な特徴やクセがみつかるかもしれません。部活動の練習時間は限られており、これ以上増やすことは難しいですが、案外こうしたところに強くなるための「余白」が残されているのではないかと私はみています。

 『徒然草』は今から約七百年も前の古典ですが、このように現代にもつながるヒントが沢山入っています。

 大会も学びの場。しっかり戦い、しっかり学んで来てください。