3月1日に、第60期卒業生49名の卒業証書授与式を執り行いました。

今年度は、4年ぶりに一部の来賓の方々や在校生の参列に加え、卒業生一人ひとりに校長から卒業証書が手渡されるなど、コロナウイルス感染症対策を行いながらも、少しずつではありますが、コロナ前の形に戻した卒業式となりました。

【卒業証書授与】

卒業証書授与式卒業証書授与式

【校長式辞】

飯南高校第60期49名の皆さん、卒業おめでとうございます。

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私が皆さんに何回か話したことの中に「不如意(意の如くならず)」という言葉があります。生きていれば、ままならないことは必ず起きる。なぜなら、我々人間はどこまでも他との関係性、ご縁と言い換えてもよいと思いますが、そのご縁のままに生きる存在だからです。ただ、ままならない現実は、必ずしも悪い結果をもたらすものとは限りません。例えば、皆さんがこの3年間翻弄され続けたコロナ禍です。学校生活のみならず私生活においても、常に感染防止のための行動制限がかかりました。皆さんは正に「ままならない現実」の中で高校3年間を過ごした世代ということになります。しかし、誰も経験したことがない困難な状況の中で、創意と工夫を凝らして、精一杯取り組んだ皆さんほど、直に会って話すこと、つながり合うことの大切さを理解している世代はないと思います。同時にICTやオンラインでつながることの可能性もよく知っています。これらのことは、他の世代に勝る経験であり、皆さんそれぞれが進む未来のステージで、きっと役に立つ智慧となることと思います。意に沿わない状況が本当に悪い未来をもたらすのか、結局走りきった後でしか分かりません。まだ確定していない未来に向かって、ひたむきに、前向きに今を生きること、そのことで未来が変われば、意に沿わなかったはずの過去に対する思いも必ず変わります。

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卒業生の皆さん、この飯南高校を巣立っていく49名の皆さんのこれからの人生が、様々な色の美しい光に照らされることを、また多くの忘れられない大切な出会いがあることを祈念して式辞とします。

(式辞一部抜粋)

卒業証書授与式

【在校生代表送辞】では、生徒会長の稲田七星さんが、

様々な行事で制約を受ける中、できる範囲で最大限に楽しみ、団結して物事に取り組む3年生の姿から、多くのことを学んできたと話し、鵬雲祭や部活動を振り返りました。そして、次はその役目を引き継いで学校を盛り上げていく決意を語ってくれました。

卒業証書授与式

【卒業生代表答辞】では、前生徒会長の上田詩乃さんが、

新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言で始まった高校生活を振り返りました。全ての学校行事を行えた訳ではないけれど、一日一日がとても充実していたこと。他の学年と比べると人数は少ないけれど、その分、団結力と協調性を身につけることができたこと。3年次の鵬雲祭を全校生徒で創り上げ、成功に収めることができたことなど。これらの生活は、周りのたくさんの方々に支えてもらったからこそできたと感謝の気持ちを伝えました。

そして、「様々な地域から集まった個性的な仲間たちと理解を深め合ってきた経験、年齢や職業の異なる地域の方々に育まれ様々な価値観に触れてきた豊かな経験が、今後の考え方や価値観の違いを乗り越える上で大きな財産になる」とまとめました。

卒業証書授与式

式後のホームルームでは、生徒の手作り動画が流され、卒業生が一人ずつ、高校生活での思い出や友達、家族、先生方へのメッセージを伝えていました。涙ながらに話す姿も見られ、その写真、言葉、表情などから充実した高校生活だったことが伺え、見ていて胸が熱くなるひと時でした。

卒業生の皆さんが、新しい世界で大鵬となり羽ばたいていってくれることを期待しています。

卒業おめでとうございます!