「私たちはさまざまな方に支えていただきました。練習できたことは、地域の方々が協力してくださったおかげであり、また指導者さんのおかげでもあります。甲子園という大きな舞台に立てたこと、心から嬉しく思います。最高の舞台で、最高の仲間と、最高の神楽ができたこと、今までにない感情が今ここにあります。目標には届きませんでした。涙を流しました。今でも悔しいです。しかし、お客さんからものすごくほめられました。この仲間と神楽ができて良かったです。先生方、本当にありがとうございました!」

これは、今回出場したメンバーの1人が「生命地域ラボ神楽愛好会日誌」に書いたものです。広島県安芸高田市の神楽門前湯治村「神楽ドーム」において、7月23日に第11回高校生の神楽甲子園が開催され、本校は3回目の出場を果たしました。

生徒たちは、緊張の中にも平常心を保ち、練習の成果を十分に発揮して演目「羅生門(らしょうもん)」を、迫力満点、凄みさえ感じられるほど立派にやり遂げ、会場から大きな拍手をいただきました。上演後の生徒たちは、爽やかで充実感いっぱいの笑顔にあふれていました。

第11回高校生の神楽甲子園第11回高校生の神楽甲子園

8校中1校だけが「日藝選奨」に選ばれるのですが、もしかしたら・・・の願いはかなわず、残念ながら受賞はできませんでした。日本大学藝術学部演劇学科の小林直弥教授による講評では、「日藝選奨」を1校だけ選ぶことは難しかった、飯南高校については、安定した奏楽、特に鹿田麻衣さんの笛の技術力が高かった、演舞も、1つ1つのポーズが決まっており、身体を大きく動かしたあとの止まる動作もよく考えられていた、きちんと稽古を積み重ねてきたことがよくわかった等、特に、片地ことのさん、藤原優雅さん、鹿田千陽さんについては個人名をあげての高い評価をいただきました。さらに、安芸高田市の石丸市長からも、感動して涙が出たと声をかけていただきました。

飯南高校に入学して神楽という伝統芸能に初めて触れる生徒も増えていくと思います。地域の皆様とともに保存伝承、後継者育成に関わっていくことも高校の魅力化の1つです。9月の鵬雲祭では、教職員・全校生徒の前で「羅生門」を披露する予定です。学校全体に神楽の魅力を広めていくチャンスと捉え、張り切って上演したいと思います。ぜひ、迫真の舞をご体感ください。